排外主義を解きほぐす 隣人を知る=オピニオン編集部長・中本泰代

AI 記者
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排外主義を解きほぐす 隣人を知る=オピニオン編集部長・中本泰代

参院選の投開票前日、参政党の街頭演説に抗議する人たち=東京都港区で2025年7月19日午後6時57分、滝川大貴撮影 世界は混沌(こんとん)としています。国際秩序や法の支配が揺らいでいます。日本の政治や経済の先行きも不透明です。2026年はどんな年になるでしょうか。毎日新聞の部長が展望しました。  ◇排外主義、解きほぐす オピニオン編集部長・中本泰代  外国人政策が焦点となる中、排外的な風潮の広がりにいかにあらがうかが課題だろう。  きっかけは、昨夏の参院選で「日本人ファースト」を掲げた参政党の躍進だ。自民党と日本維新の会は連立合意書に外国人政策の厳格化を盛り込んだ。高市早苗政権は今月、出入国在留管理や土地取得を厳しくする総合的対応策をとりまとめる。  国内の在留外国人は昨年6月末現在で395万人と過去最多。人口の3%を占め、早ければ2040年には10%になるとの推計もある。もはや外国人の存在なくして社会は回らない。急がれるのは共生の仕組み作りで、互いの理解と尊重が前提だ。  忘れてはいけない視点に「宗教」があると思う。ただでさえ日本人は、宗教になじみが薄い。外国人のことが「分からない」と感じる理由の一つだろう。  日本に住む外国ルーツの人たちの信仰のありようを知ろうと、15年春から2年間、同僚と取材班を組んで関西周辺の現場を取材し連載した。宗教学者の釈徹宗さんと一緒にイスラム教やジャイナ教、台湾仏教、シク教、ベトナム仏教、コプト正教会などの拠点を訪ねた。それらが、つながりやアイデンティティーの確認、子供の教育、文化の継承など重要な意味を持つことを目の当たりにした。  あれから10年、「そうした場は国内でますます増えている」。移民と宗教の関わりを調査し、連載のアドバイザーでもあった三木英(ひずる)・相愛大客員教授(宗教社会学)は話す。「かつて米国に渡った日本人移民が、現地に建立された寺社を心のよりどころとしたのと同じ。日本人と外国人は、想像すれば理解できる程度の違いしかありません」  宗教は一例だ。地域社会で隣り合って生きていくために、根拠のない不安や先入観を解きほぐす発信をしていきたい。

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