飼料用とうもろこし収穫写真(出所)JA鹿追町ホームページより コメや野菜の価格高騰や農業の制度的な課題をマスメディアが取り上げる際に、農協(JA)の課題が背景にあることが度々強調される。しかし実際の現場を見聞すると、依然として農協が農家と消費者双方に欠かせない役割を果たしている場面があると痛感する。 【写真】ベトナム農業から見る農協の姿 その一つに農産物の流通が挙げられるが、農作業に必要な農業機械の共同利用もある。それは生産コストを圧縮し、コメや野菜、果物の価格を下げることに寄与する。 2025年11月上旬に訪問したベトナムの機械共同利用の事例と国内の事例から、その役割を再認識することになったため、報告したい。ベトナムの機械の共同利用 筆者が訪れたのは、ベトナムのハノイ近郊に位置するMr. Tuấn(トゥアン氏)の農場だ。農場は見渡す限り野菜の圃場が続く、200ヘクタールにおよぶ露地野菜地帯の一角にある。 トゥアン氏は7200平方メートル(0.72ヘクタール〈ha〉)ほどの農地を、データ管理や農業アプリを用いず、経験と目視のみで運営している。灌水もすべて人力だ。 野菜地帯全体としては広大な農地で、最新技術を活用せずに生産できる秘密が機械の共同利用にある。耕うんなど農作業に必要な機械を個人で所有しないで、地域全体でトラクターを共同利用している。 トラクターの販売価格は約1.5億〜2億ドン。日本円にすると、88万円から118万円と、非常に高額になる(取材時点の1円=170ドンで換算)。 一方、機械のレンタル料は360平方メートルあたり約12万ドン(約600円程度)。トゥアン氏が運営する全圃場の耕うんを依頼すると、1万2000円程度となる。機械を保有するのに比べ、初期費用は100分の1程度となる。「物価から考えても安価とは言えないが、レンタルを選ぶのが合理的」とトゥアン氏は話す。 機械レンタルの中心的役割を担っているのが、周辺農家とともに組織している協同組合である。トゥアン氏が運営する農地を含む200ヘクタールの圃場を管理し、20台のトラクターを保有しているそうだ。主に「生産・作業受託」に機能が特化した協同組織で、日本のような金融・購買を含む総合農協とは構造が異なるという。 この考え方は、筆者が以前Wedge ONLINEの『〈衝撃〉ベトナムのコメは「キロ100円」 どうしてそんなに安いのか?日本人も知るべきベトナム農業の実情』で紹介したコメ農家の考え方と一致している。協同組合による機械の共同利用は、コスト面で合理的な支援策である。
農業機械は“シェア”する時代、農協にとっても重要な役割、ベトナムで考えたその可能性と課題
AI 記者
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